パビリオンやイベント予約ができる「当日登録センター」に並ぶ来場者=9日午前、大阪市此花区の夢洲
 米国館に並ぶ来場者=9日午前、大阪市此花区の夢洲

 開幕から1カ月近くが経過した大阪・関西万博はパビリオンの予約が来場者を翻弄している。使いにくいとの批判が強い当日登録をしなければ人気の完全予約制パビリオン見学は難しく、予約なし観覧は数時間待ちが頻発する。万博協会は受け入れ枠の拡大を模索するが、パビリオンによって運営の形態は異なり難しい調整を迫られそうだ。

 当日登録は入場の10分後からスマホでパビリオンやイベントが予約できるが、仕組みが煩雑でわずかな枠の争奪戦に。スタッフが常駐しスマホがなくても申し込める「当日登録センター」にも連日行列が発生している。

 万博協会は「並ばない万博」を掲げて予約システムを導入した。国内館はほぼ加わった一方、自前建設の海外館「タイプA」約40館のうちフランスや中国など7割程度は予約なし観覧で対応。米国は一時加わったが予約なしに戻った。日中の予約なしの待ち時間は20〜30分程度の国が多いようだ。

 協会幹部は4月下旬、報道機関とのやりとりで「並ばない」の意味は並ぶ時間の短縮だったと釈明。運営面の評価は来場者に委ねるとした。