【ソフィア共同】東欧ブルガリアのラデフ大統領は14日、ロシアのウクライナ侵攻について「軍事的解決策はない」と述べ、欧州によるウクライナへの軍事支援継続に反対する考えを表明した。米国の和平仲介努力を評価し、欧州も外交交渉に協力するよう促した。17日からの訪日を前に首都ソフィアで共同通信と単独会見した。
ブルガリアの行政権は首相にあり、政府は親欧州連合(EU)の外交路線を堅持。EUのウクライナ軍事支援強化にも賛成しているが、国家元首の異論は国内世論に一定の影響力を及ぼし得る。
ラデフ氏は、英仏など有志国が計画する戦闘終結後の平和維持部隊派遣に関しても「ロシアと北大西洋条約機構(NATO)の衝突リスクを劇的に高める」として否定的な考えを示した。
黒海に面するブルガリアは、ウクライナ侵攻で安全保障面だけでなくエネルギー価格や輸送費上昇など多大な経済的影響を受けていると指摘し「できるだけ早期の戦争終結が必要だ」と主張。欧州が米国と歩調を合わせ、即時停戦を求めることが「終戦への鍵となる」と強調した。