空自T4練習機が墜落した入鹿池を捜索する自衛隊員=16日午前7時41分、愛知県犬山市

 航空自衛隊のT4練習機墜落事故に関し、中谷元・防衛相は16日、現場となった愛知県犬山市の池で、墜落機のエンジンとみられる物を発見したと明らかにした。空自は、これまでに見つかった機体の破片も含めて分析し、事故原因の特定を急ぐ。現場では自衛隊と県警、地元消防による不明隊員2人の捜索が続いた。

 中谷氏は会見で、自衛隊機の事故が相次いでいる点に触れ「(事故防止に)何が必要なのか。再発防止になるよう省を挙げて検討していきたい」と述べた。

 現場では、自衛隊が民間のボートも使って池全体を行き来しながら隊員2人の手がかりを捜し、機体の破片回収を進めた。県警は機動隊員らを投入し、池の中の様子を確認できる水中ドローンも使用して捜索。地元消防の潜水隊なども活動した。

 事故は14日に発生した。井岡拓路1等空尉(31)と網谷奨太2等空尉(29)が乗った機体は午後3時6分ごろ、所属先の新田原基地(宮崎県)に向け小牧基地(愛知県)を離陸。1分程度は安定して飛行していたが、右旋回中に高度が約1400mから急低下した。