【ワシントン共同】米食品医薬品局(FDA)は16日、アルツハイマー病を診断する血液検査を初めて承認した。申請は検査大手、富士レビオ(東京)グループの富士レビオ・ダイアグノスティクス。従来よりも医療現場で容易に利用でき、病気の早期診断につながることが期待される。
アルツハイマー病は、アミロイドベータやタウというタンパク質が脳内にたまって神経細胞が壊れ、認知機能が低下していく病気。アミロイドベータの塊が脳内にあるかどうか二つのタンパク質の数値比から推測でき、検査では血漿中にある二つのタンパク質の量を測定する。
既に症状が出ていたり病気の兆候があったりする55歳以上が対象。陽電子放射断層撮影(PET)がこれまで診断に活用されてきたが、費用と時間がかかるほか放射線を利用するため、患者の負担が大きい。
FDAのマキャリー長官は「65歳以上の10%がアルツハイマー病となり、2050年までに倍増すると予想されている。新たな検査が患者の役に立つことを期待する」とコメントした。