二輪車免許の教習風景。新型コロナウイルスの顕在化以降、取得を目指す入校者が増えている=岐阜市三田洞東、三田洞自動車学校

 新型コロナウイルスの感染拡大が顕在化した2020年4月以降、岐阜県内の二輪車免許教習者が年間約10%のペースで増加している。「通勤や通学で密を避けたい」「一人で自由に行動したい」といったニーズがあるとみられ「業務に疲れ日常から離れる時間がほしい」と入校した医療従事者もいる。三田洞自動車学校(岐阜市)の馬渕裕司学校長(65)は「長引くコロナ禍、3密回避など社会の制約が背景にある」と分析する。

 県公安委員会指定の25自動車学校で構成する県指定自動車教習所協会によると、19年度の二輪車(普通と大型)入校者数は2933人。20年度は3300人、21年度は2月末時点で3565人を数え、毎年約10%増で推移している。

 特に増加が顕著な三田洞自動車学校では、247人だったコロナ前の19年度に比べ、20年度は62・8%増の402人。21年度も2月末時点で340人となり、コロナ前を上回っている。

 「シフトが減り時間に余裕ができたので入校した」と話すのは岐阜市のアルバイト(26)。「人混みを避けて移動できるし行動範囲も広がる。“自由の翼”のバイクを手に入れたい」と社会の変化に前向きだ。愛知県内の大学に通う学生(20)も「二輪車にもともと興味があり、免許を取るのは今だと思った」という。

 同校の年代別入校者数は、21年度の普通二輪は20代が41・1%、大型二輪は40代が26・8%を占めており、馬渕学校長は「野外活動ができなくなった若者に加え、普通二輪免許を保有している自営業者が、営業時間の短縮と自粛で生まれた時間を利用して大型取得に動いているのが見て取れる」と話す。

 自動車学校によっては二輪車より普通自動車の教習を優先する所もある。それでも岐阜県内で二輪車免許を志す人が増え続けている現状について、同協会の倉家伸二専務理事は「入校できる学校を探して岐阜市内から本巣市や郡上市に通う人もいる」と説明。「コロナが二輪車のニーズを後押ししている」との見方を示す。

 一方、普通自動車免許の取得を目指す人も増加。19年度に1万7852人だった県内の入校者は、20年度は1万9674人と約10%増えた。20年度はコロナ禍で1カ月ほど休校した自動車学校も多かった。それでも入校者が増えた背景を、倉家専務理事は「首都圏に進学した大学生がリモート授業で下宿の必要がなくなり、二輪車も普通車も地元の岐阜で免許を取得する動きがあったのでは」と推察した。

 【二輪車免許】 車両としての二輪車は道路交通法、道路運送車両法によって区分が異なるが、免許は普通二輪小型限定(125㏄まで運転可)、普通二輪(400㏄まで)、大型二輪(排気量限定なし)がある。それぞれAT(オートマチック)限定免許も設定されている。