石破茂首相は21日、「コメは買ったことがない」と発言した江藤拓農相を更迭し、後任の選定を進める意向だ。20日に江藤氏を続投させる方針を示しており、野党は江藤氏更迭を巡る石破政権の対応に関し追及を強める構えだ。21日午後に首相と立憲民主党の野田佳彦代表らが一対一で論戦を交わす党首討論が開かれる。
江藤氏の進退を巡り、立民の重徳和彦政調会長、国民民主党の古川元久代表代行は21日午前、それぞれ記者会見で見解を示す。自民党の小野寺五典政調会長も記者団の取材に応じる見込み。
野党5党の国対委員長は20日に会談し、江藤氏の更迭を求める方針で一致。党首討論までに具体的な動きがなければ不信任決議案提出を検討すると確認していた。野党がまとまって賛成すれば可決する可能性があるため、与党内でも江藤氏の辞任論が浮上していた。
首相は20日の衆院本会議で、江藤氏発言に関し「極めて不適切だった」と陳謝。一方で「米価高止まりなど農政の課題が山積する中、今まさに全力を挙げるべき時だ」と更迭を否定した。