財務省が21日発表した4月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、米国への輸出は前年同月比1・8%減の1兆7708億円となり、4カ月ぶりに減少した。自動車が4・8%減の5130億円となったのが主因だ。トランプ政権が4月に発動した追加関税や相互関税が影響した可能性がある。
自動車の対米輸出は数量としては11・8%増となった。価格が低いモデルの輸出が伸びたとみられる。3月に追加関税が発動された鉄鋼は金額が29・0%減、数量も20・3%減。同様に対象となったアルミニウムを含む非鉄金属は金額が0・8%減る一方、数量は12・5%増えた。
欧州連合(EU)やアジアを含めた輸出全体としては、半導体等電子部品や食料品、医薬品が伸び、2・0%増の9兆1572億円と7カ月連続で増えた。輸入は石炭や原粗油の価格が下がったことなどから2・2%減の9兆2730億円だった。輸出から輸入を差し引いた貿易収支は1158億円の赤字となった。赤字は3カ月ぶり。