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【北京2025年5月22日新華社=共同通信JBN】第29回世界ガス会議(World Gas Conference、WGC2025)が5月20日午前、北京のNational Convention Center(国家会議センター)で開幕しました。WGCの100年近い歴史で、中国での開催は今回が初めてです。国際ガス連合(IGU)の3大主要イベントの一つである今年の会議は、「Energising a Sustainable Future(持続可能な未来への活力)」がテーマです。世界中の70カ国・地域から3000人を超える代表を集め、世界のエネルギー転換、天然ガス産業の発展、持続可能な未来への道筋について、深い議論と合意の形成を目指します。

開会式はWGC2025国家組織委員会(WGC2025 National Organizing Committee、NOC)のCao Yujun委員長が議長を務めました。IGUのLi Yalan会長、北京の殷勇(Yin Yong)市長、国家エネルギー局のWan Jinsong副局長、トタルエナジーズのパトリック・プヤンネ(Patrick Pouyanné)会長兼最高経営責任者(CEO)、中国石油天然気集団(CNPC)の戴厚良(Dai Houliang)会長らがスピーチしました。

Li Yalan氏は、気候変動、エネルギー安全保障、地政学的緊張といった多様な世界的課題の中で、豊富な埋蔵量、清浄さ、効率性、費用対効果といった利点を持つ天然ガスが、世界のエネルギーミックスに不可欠な柱になりつつあると強調しました。また、世界最大の天然ガス・液化天然ガス(LNG)の輸入国である中国は、その開発モデルに国際的な注目が高まっていると指摘しました。とりわけ、北京が天然ガスを活用して大気質を大きく改善したことは、他の発展途上国も見習えるモデルを示していると強調しました。

殷勇氏は、北京は国の新たなエネルギー安全保障戦略をしっかりと実行し、エネルギー構造のグリーン化と低炭素化を促進し続けていると述べました。現在、北京のエネルギー消費の35%以上は天然ガスが占めています。石炭から天然ガスへの転換などの取り組みにより、同市は過去10年間でPM2.5の年間平均濃度は60%以上、炭素強度はほぼ50%削減させました。持続可能な都市開発を推進する一方で、殷勇氏は国際的なエネルギー協力の開放と深化に対する北京市の取り組みをあらためて確認しました。

Wan Jinsong氏は、中国のエネルギー生産と消費は成長し続けており、インフラはますます強固になり、全国統一のガス供給網はほぼ完成していると指摘して、天然ガスの供給力と緊急対応能力は大きく向上したと強調しました。また、地下深部、深海や非在来型の資源開発で画期的な進展が見られ、天然ガスの生産量増加に役立っていると述べました。Wan氏は、世界の公共福祉に役立つ供給力の強化、グリーン開発での生態環境の優先、デジタルトランスフォーメーションによるエネルギーシステムの強化、多国間協力を通じた管理の向上という4つの主要イニシアチブを提案して、安全で効率的、クリーンで低炭素の世界的エネルギーシステムを共同で構築するために、開放性とウィンウィンの協力関係の継続を訴えました。

パトリック・プヤンネ氏は、トタルエナジーズが従来の石油・ガス市場での主導権を維持しながら、世界的なエネルギー転換に積極的に参加していく取り組みを強調し、2050年までにネットゼロを達成し、多様でクリーン、安全で持続可能なエネルギーの未来を構築するための国際協力の推進というトタルエナジーズの公約を繰り返し述べました。

CNPCの戴厚良氏は、1万メートルの超大深度掘削の成功や非在来型資源開発の継続的な進展など、深部石油・ガス探査でのCNPCの最近の躍進を紹介しました。アジア最大、世界第2位のエネルギー企業として、CNPCは国家エネルギー安全保障の確保で重要な役割を果たし、冬季と夏季のピーク時に不可欠な供給任務を一貫して遂行しています。戴氏は、石油、ガス、新エネルギーの統合を加速し、相乗効果のあるマルチエネルギーシステムを構築するグリーン移行への揺るぎないCNPCのコミットメントを強調しました。石油・ガス気候イニシアチブ(OGCI)の中国唯一の構成員として、CNPCは今後も世界の気候ガバナンスに積極的に参加し、中国のカーボンピークとカーボンニュートラルの目標に貢献し、グリーン開発の恩恵をより多くの国、顧客、地域社会に広げていくと述べました。

各氏のスピーチに続き、NOC議長のCao Yujun氏は中国共産党北京市委員会の尹力(Yin Li)書記、北京の殷勇市長、IGUのLi Yalan会長、国家エネルギー局のWan Jinsong副局長、住宅都市農村建設省のLi Xiaolong副大臣、CNPCの戴厚良会長、トタルエナジーズのパトリック・プヤンネ会長兼CEOを呼んで、共同での開会式主宰を要請しました。カウントダウンがゼロになると、メインスクリーンに「WGC2025が正式開会」の文字が浮かび上がり、会場は熱烈な拍手に包まれて第29回世界ガス会議の公式開幕を告げました。

スケジュールによると、WGC2025はLNG開発、天然ガスと再生可能エネルギーの統合、エネルギー安全保障、デジタルトランスフォーメーションといったテーマを網羅する80を超える上級レベルのフォーラムを開催します。400人を超える著名な招待客が、業界の動向や技術革新について深い議論をします。同時開催の展示会はWGC史上最大規模の5万平方メートルに及び、中国内外から3万人以上の専門家の来場が見込まれています。

第29回世界ガス会議(WGC2025)は国際ガス連合(IGU)が主宰、Beijing Gas Groupが受け入れ側主催者となり、Beijing Capital Group Exhibitions and Eventsが独占的に企画しています。

ソース: The WGC2025 National Organizing Committee