福島秀一監督インタビュー最終回の6回目は、最後の赴任地、池田高校でのチームづくり、さらに高校野球指導者人生に一区切りを付けた今、高校野球についての提言やメッセージを聞いた。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

―池田高校でのベストゲームは。
福島 2022年岐阜大会で、前年、さらに翌年にも準優勝する市岐阜商を初戦の2回戦で、1―0で勝った試合。戦力差は大きかったが、うちには左投手が2枚いた。2年生の田神一騎を先に投げさせ、「良くても悪くても五回で交代させるから、しっかり腕振って投げてこい」と送り出した。
二回表に内野安打で無死一塁、1点取りにいくんだけど、送っても点にはならないだろうと、相手のバントシフトを見て、バスターエンドランをかけたら、レフトオーバーの二塁打になって1点を先制し、それが決勝点になった。
その裏、無死満塁になって、まずいなと思ったが、ピッチャーゴロでホームゲッツー。2死二、三塁になって8番を敬遠して、9番のピッチャーで勝負したら、センターフライに打ち取って、しのいだ。そこから、市岐阜商が打てそうで芯が外れていく、フライアウトが多くなった。インコースを積極的に攻めさせたが、五回まで0点で抑えた。
六回の表から登板させた左のサイド気味の3年仙谷悠真が、さらに遅い。相手はタイミングを外されて、その1点を守り切った。3回戦で岐阜北に13―0、4回戦で海津明誠に8―2と勝って、ベスト8入りした。準々決勝では中京が強かった。13―0で敗れた。

―ベストゲームで勢いに乗ってのベスト8ですね。
福島 前年に岐阜大会初戦の2回戦で岐阜総合を6―5、3回戦で第1シードの大垣商を延長十四回タイブレークの5―4で下した経験が生きた。
大垣商戦は、2―2の十四回表に相手のサードのエラーがあって3点入った。無死一、二塁から送った後、スクイズが失敗して2死二、三塁。三塁線にゴロを打ったら、はじいて二塁打になって2点入った。その後、サードの子が気落ちしていたので、...