ウクライナに帰還を果たした捕虜=23日、ウクライナ・チェルニヒウ州(共同)

 【チェルニヒウ、モスクワ共同】ロシア、ウクライナ両政府は24日までに、トルコ・イスタンブールで今月行われた直接交渉での合意に基づき、697人ずつの捕虜交換を実施した。両国はそれぞれ千人を交換することにしており、2022年2月にロシアがウクライナに全面侵攻を開始して以降、最大規模となる。

 交換は25日まで行われる予定。23日には捕虜270人と民間人120人ずつ、24日は捕虜307人ずつが引き渡された。

 タス通信によると、ロシアのラブロフ外相は23日、捕虜交換が完了し次第、ウクライナ側に和平案を提示する用意があると表明した。

 ただ、ロシアは直接交渉の席上でウクライナ側に厳しい要求を突きつけており、ロシア案が議論の進展につながるかは見通せない。

 ウクライナ側の捕虜ら390人は23日、北部チェルニヒウ州に数台のバスで到着し、家族や知人と再会を果たした。

 ウクライナのウメロフ国防相も現場を訪れた。

 ウクライナの捕虜問題調整本部によると、これまでに60回以上の捕虜交換があり、民間人を含め約5千人が帰国した。