14奪三振、145キロ。中京の2年生エース鈴木悠悟は自身最多、最速の快投も終盤、無念の逆転負けを喫した。春季東海地区高校野球大会は24日、三重県の津球場などで開幕、1回戦2試合を行い、岐阜県2位の中京は津田学園(三重1位)に4―7で初戦敗退を喫した。

 第2試合は雨のため、順延となり、岐阜県1位の岐阜城北の1回戦は25日、午後0時30分から、ダイムスタジアム伊勢で東邦(愛知2位)と対戦する。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

◆最多、最速の投球も無念…2年生エースの視線は夏を見据える

 今春、名門中京の背番号1を背負ってから、先発マウンドに立つたびに進化の階段を着実に上り続けている鈴木悠悟。立ち上がりから140キロ超えを連発し、ストレートで押す強気の投球を春の東海で見せつけた。

終盤の逆転負けを喫したが、自身最多の14奪三振、最速145キロをマークした中京の2年生エース鈴木悠悟=津球場

 二回、「しっかり、くらいついてきた」(鈴木)と先頭に左前にはじき返され、2死後、1番田中寛人にスライダーを右前打され、先制を許したが、三回からは新たなステージに突入した。

 今春手にした武器の緩いカーブをうまく交えながら、自慢のストレートで、相手打者の左右にかかわらずインコースを厳しく突き、持ち味のスライダーで仕留める奪三振ショーの幕を開けた。

 三、四、六回と圧巻の3度の3者三振。唯一三振のなかった五回も内野安打で出した先頭を、一塁けん制でアウトにする非凡さを見せた。かと思えば、七回の3アウト目の13個目となる見逃し三振に切って取ったアウトコースは自身最速の145キロだった。

 この時点で、誰もが、新たな東海のヒーロー誕生を信じていて疑わなかった。

 だが、あの男が試合の流れをがらりと変えてしまった。...