【テヘラン共同】イランが、9日からウィーンで始まった国際原子力機関(IAEA)の定例理事会でイラン非難決議が採択された場合、ウラン濃縮活動を拡大させる可能性があるとIAEAに警告したことが11日、外交筋の話で分かった。

 IAEAは、イランが三つの施設での核関連活動を申告しなかったと指摘。米国と英国、フランス、ドイツの4カ国は、イランがIAEAとの保障措置(査察)協定に違反しているとして非難する決議案を理事会に提出した。

 外交筋によると、イランはウラン濃縮拡大のための新たな設備を準備済みで、決議が採択されれば稼働させると警告した。濃縮度は核兵器級の90%に近づく60%を想定しているという。

 イラン国営メディアによると、ナシルザデ国防軍需相は11日の閣議後、「紛争に巻き込まれれば、中東の米軍基地を見境なく標的にする」と述べた。核開発問題を巡る米イラン両政府の協議が決裂した場合、軍事行動を示唆するトランプ米政権をけん制する狙い。