少子化や大学入試改革で今、高校を取り巻く環境は大きく変化しています。岐阜県内の高校はどう対応していこうとしているのでしょうか。岐阜新聞デジタルは各校の校長らトップにインタビュー。学習方針や進路対策、キャリア教育について考えを聞きました。今回は西濃の伝統校、大垣商業高校(大垣市)。「大商(だいしょう)」と言えば部活動が盛んで、西濃の産業界を支える拠点の一つというイメージですが、最近は大学などに進学する生徒が増加。増田康宏校長(60)は特別進学コースの開設を準備しているといいます。商業高校の現場で何が起きているのでしょう。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

―特徴は。
本校は岐阜県では一番古い商業高校で創立123年になる。県岐阜商業より2年早く開校した。西濃地域には上場している大きな企業が多いが、そういった企業に人材を輩出してきた。
ビジネス系の商業科目はどんどん進化している。今はコンピューター、簿記会計の教科が充実しているほか、英語にもかなり力を入れている。というのは、かつては生徒の8割が就職、2割が進学だったのが、今は逆転して8割が進学し、就職は2割になっているからだ。
求人も多く寄せられているが、就職を希望する生徒は減っている。今年の3年生は特に少なく、240人中、就職希望が30人弱。昨年度の求人倍率は9倍から10倍だった。
進学先は地元が多い。岐阜、名古屋、愛知が多いが、大垣は滋賀県彦根市が近いので、滋賀大学経済学部を志望する生徒が多い。大垣駅から彦根まで約45分で行けるので、通えるという利点がある。
―経済系の学部を目指す生徒が多いか。
男子はそういう生徒が多いが、女子生徒だとまた違う分野を目指す。本校は生徒が自分の関心のある分野へ進むことを目指している。女子生徒は保育士や歯科衛生士、看護師を目指すケースがある。
―進学実績は。
国公立大学には例年10人前後進学する。私立も関関同立をはじめ、難関大に合格している。...