記者団の質問に答えるポーランドのトゥスク首相=5月16日、アルバニア首都ティラナ(ロイター=共同)

 【ベルリン共同】ポーランド下院は11日、トゥスク首相率いる親欧州連合(EU)の連立政権の信任投票を実施し、賛成多数で可決した。1日の大統領選でトゥスク氏が推す候補が反EUのナブロツキ氏に敗れたことを受けた投票。大統領と首相の政治的立場が異なる「ねじれ」による困難な政権運営が予想される中、トゥスク氏は内外に権力基盤を示した格好だ。

 トゥスク氏は信任投票に先立ち「われわれは議会の任期が終わる2027年秋まで、難しい状況の下で責任を果たさなければならない」と自身の続投を支持するよう訴えた。7月に内閣を改造する考えも示した。

 ポーランドは25年1〜6月のEU議長国を務めており、加盟国の閣僚が参加する分野別の理事会で進行役を担っている。EU加盟国がウクライナ侵攻を続けるロシアに対する結束を維持するには、ポーランドの指導力が不可欠だ。

 連立政権は460議席の下院の過半数を占めるが、ポーランドでは大統領が法案の拒否権を握る。これまでも愛国主義的な保守野党「法と正義(PiS)」出身のドゥダ大統領が、トゥスク氏の政策を阻んできた。