【北京共同】笹川平和財団で核問題を専門とする小林祐喜研究員は14日、北朝鮮が北西部の寧辺で建設している核関連施設とみられる建物は、新型の遠心分離機を導入するためのウラン濃縮施設の可能性があるとの分析を明らかにした。金正恩朝鮮労働党総書記は昨年9月、核兵器増産に向け、完成段階にある新型遠心分離機の導入を進めるよう指示していた。
米シンクタンク戦略国際問題研究所の北朝鮮情報サイト「ビヨンド・パラレル」の衛星画像を通じた調査によると、新施設は昨年12月中旬ごろに建設開始。今年6月初旬までに外装工事を終えた後、内装の作業を続けている。
小林氏は共同通信の取材に、衛星画像による新施設の外観だけでウラン濃縮施設とは断定できないとする一方、北朝鮮は新たにウラン濃縮施設を建造する必要性が高い状況にあると指摘した。
ウラン濃縮施設は寧辺に既存の施設があるほか、平壌近郊のカンソンにも秘密施設があるとされる。遠心分離機は型式を統一して設置しなくてはならず、新型を導入するには「第三の施設」が不可欠だという。