福岡市で開かれた食品公害「カネミ油症」を巡る3者協議=14日午前

 1968年に西日本一帯で起きた食品公害「カネミ油症」に関し、厚生労働省は14日、先天性疾患の一つ「口唇口蓋裂」の発生率が、認定患者の子や孫に高い傾向はなかったと明らかにした。2023年に九州大の研究班が高い傾向があると発表していたが、当事者や専門家への聞き取りで否定されたとしている。

 福岡市で開かれた被害者団体、原因企業のカネミ倉庫(北九州市)との3者協議で見解を示した。国はダイオキシンの血中濃度などを基準に患者を認定しており、濃度の低い子や孫は健康被害があっても認定されないケースが多い。

 カネミ油症被害者全国連絡会の三苫哲也事務局長(55)は「非常にショック」と肩を落とした。