作業療法士を小学校に派遣 サンビレッジ国際医療福祉専門学校と池田町が協定

 社会福祉法人新生会は、運営する揖斐郡池田町のサンビレッジ国際医療福祉専門学校(通称・サンビ校)の作業療法学科の教員が本年度から、町内の小学校を定期的に訪れる取り組みを始めました。サンビ校の教員は、支援を必要とする児童の担任教諭からヒアリングした後、補助役として授業に参加して対象児童をフォロー。授業後に作業療法士から見た気づきなどを担任教諭と共有することで、今後につなげてもらうのが狙いです。

 作業療法士の仕事は、食事や工作などの動作が病気やけがで満足にできなくなってしまった高齢者向けのリハビリプログラムを考え寄り添うイメージが持たれがちですがそれだけではありません。近年では、子どもの発達においても重要な存在であることが改めて言われるようになってきました。例えば、はしが上手に使えない子どもに対し、専門家の視点から動作分析し、時にははしの形状に手を加えるなどしてサポートしていきます。

協定書に署名した新生会の今村寧理事長(右)と竹中誉町長=揖斐郡池田町役場

 こういった流れから、実際の教育現場に作業療法士が携わるケースも出てきました。県内では飛騨市がすでに始めています。サンビ校と池田町は5月に協定締結式を行い、新生会の今村寧理事長と竹中誉町長がサインを交わしました。竹中町長は「大変ありがたいお話。作業療法士の力添えでデータを集め、対外的に成果を発表することも検討中。教育現場の改善につなげていきたい」、今村理事長は「子どもには未知な部分が多く、1つのピースが欠けただけでできないこともある。医療の専門職の視点からしっかり見つめ、学校側とも協力しながら的確に伸ばしていき、対象児童の学校生活をより良いものにするお手伝いができたら」と話しています。