中国湖南省長沙市内で行われた「透明教室とパラレルガール」のライブ=5月(共同)
 中国湖南省長沙市で行われたアイドルグループ「透明教室とパラレルガール」のライブ=5月(共同)

 中国で「地下アイドル」が続々と誕生している。ファンと交流する日本式のアイドル文化が徐々に浸透。スターを目指すグループが乱立する“戦国時代”の様相だ。

 5月中旬、湖南省長沙市の地下にあるライブハウス。「ゴーゴー!」。照明を浴びたアイドルがテンポの速い曲を熱唱し全身で踊る。60人ほどの若い男女中心のファンは頭を上下に振って応じた。

 この日、10組超の女性アイドルグループが出演した。

 地下アイドルは日本から伝わり、中国で「地下偶像」と呼ばれる。中国メディアによると、2023年に上海や長沙などで活動するグループは約40組だったが、今年3月には250組を超えた。

 中国の地下アイドルは学業や仕事の傍らで活動している人がほとんど。上海や北京、地方都市のライブハウスでしのぎを削っている。

 「中国独自の文化をつくりたい」。女性アイドルグループのプロデューサー趙北辰さん(31)は意気込む。中国語のオリジナル曲を増やすなどして「日本のアイドルに興味がない人も取り込み」、中国式のアイドル文化へと昇華させるのが夢だ。(長沙共同)