【ワシントン共同】米紙ワシントン・ポスト電子版は29日、米軍の攻撃によるイラン核施設の被害が予想よりも軽微だったとするイラン政府高官同士の通信を米側が傍受していたと報じた。「核施設を完全に破壊した」とするトランプ政権の主張を否定する指摘が相次いでいる。

 トランプ大統領は29日放送のFOXニュースのインタビューで、米軍の攻撃は「かつてない破壊」をもたらし「イランの核兵器開発計画の終わり」につながったと改めて強調した。

 イランが攻撃前に核施設から濃縮ウランを運び出していたとする指摘についてトランプ氏は「ウラン運搬は非常に危険で難しい作業な上、イランは攻撃を事前に知らなかった」と否定した。報道機関に協力した情報漏えい者を探し出し、処罰すべきだとした。

 国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は29日放送のCBSテレビのインタビューでイランの核施設が「深刻な損傷を受けたのは確かだが、完全には損傷していない」と述べ、イランが数カ月かそれよりも早くウラン濃縮活動を再開できる可能性があるとの見方を示した。