太平洋戦争末期に開発された旧日本海軍の戦闘機「紫電改」を国内で唯一展示している愛媛県愛南町の「紫電改展示館」が老朽化などから2026年度完成を目標に建て替えをすることになり、県は30日、機体の移設費用をふるさと納税型のクラウドファンディング(CF)で集めると発表した。
CFは「レディーフォー」のサイト内で募集し、期間は7月1日から9月5日までで、当面の目標は1千万円、最終目標は3800万円。金額に応じて、紫電改のステッカーや模型などの返礼品がある。目標額を超えれば展示品の充実に使うとしている。
展示されている紫電改は1945年7月、米軍機と空中戦の末、不時着した機体とみられ、78年に愛南町の久良湾でダイバーが発見、翌年に愛媛県が引き揚げた。機体は原形をとどめており、最低限の補修を施して展示してきた。
しかし、展示館の老朽化で、県が現展示館の隣に新施設を建設することを決定。クレーンでつり上げて移動させるには強度が不足していることが分かり、想定より費用が必要になった。