県内住宅地で2年連続最高価格地点の「岐阜市金町6-17-1」付近。JR岐阜駅から徒歩圏内でアクセスは良好だ
昨年に続き下落した「岐阜市玉宮町2-9-2」付近。まん延防止等重点措置の期間は人通りが少なかった

◆30年連続下落 住宅地と商業地0・9%

 国土交通省は22日、2022年の公示地価(1月1日時点)を発表した。岐阜県内平均は住宅地と商業地が前年よりそれぞれ0・9%下落し、30年連続で前年を下回った。工業地も前年より0・1%下落し、14年連続で前年比マイナスとなった。地価は利便性の高い住宅地を中心に回復基調にあるが、商業地の「高山市上三之町51」の下落率は9・6%で、全用途で見ても全国7番目の高さとなるなど、観光や飲食関連は依然として新型コロナウイルス感染拡大の厳しい影響を受けている。

 県内の調査地点のうち上昇は46地点(前年10地点)、横ばいは66地点(同28地点)、下落は262地点(同337地点)だった。工業地の上昇地点は3地点で、2年ぶりに上昇した。

 住宅地の上昇率トップは前年65位の「岐阜市加納本町3―7―1外」で3・7%。下落率が最も高かったのは4年連続「飛騨市神岡町船津大島2049―5」で、4・6%だった。

 商業地の上昇率トップは「多治見市音羽町1―224」で2・1%。下落率が最も高かったのは2年連続「高山市上三之町51」で、9・6%。全国の地方圏(三大都市圏を除く地域)では最大の下落率だった。

 観光や飲食関連は、観光客の減少や飲食店への営業時間短縮要請の影響が今年も続いた。一方で、駅周辺の住宅地は引き続き堅調。工業地も高速道路のインターチェンジ周辺は需要が高く上昇地点が増加した。

 最高価格地点は、住宅地は2年連続で「岐阜市金町6―17―1」で1平方メートル当たり31万1千円。商業地は16年連続で「岐阜市吉野町5―17外」で同62万1千円だった。

◆同エリア内でもコロナで二極化

 国土交通省が22日に発表した県内の公示地価では、利便性が高い住宅地の需要が好調だった一方、新型コロナウイルスの影響を受けた観光や飲食関連は依然として厳しい状況が続いた。同じエリア内でも住宅地と商業地で明暗が分かれるなど、二極化が進んでいる。

 「駅に近く、周囲には商店街も飲食店もある。何よりも勤める会社のある名古屋方面に行きやすい」。会社員男性(43)=愛知県一宮市=は年明け以降、JR岐阜駅北周辺を中心に家族3人で住むためのマンションを探している。

 岐阜県内では、近年高層マンションが建った住宅地の「岐阜市金町6―17―1」が2年連続で最高価格地点となるなど、駅の徒歩圏内を中心にマンション需要が高まる。一方で、コロナ禍で在宅時間が長くなり、住環境の良さや居住スペースの広さを求める動きも見られる。男性は「岐阜県がこんなに居住性の高い場所だとは思わなかった。ぜひ住みたい」とマンションのパンフレットを眺めた。

 だが、同じ駅北のエリアでも居酒屋が立ち並ぶ玉宮地区は苦戦を強いられている。住宅地の最高価格地点から直線距離でわずか200メートルの「岐阜市玉宮町2―9―2」の下落率は4・9%で、県内の商業地では2番目となった。

 緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の影響もあり、利用客は激減。閉店する店舗も増えた。玉宮地区で飲食店を経営する40代の男性店長は「協力金があるとはいえ、客がゼロの日もあり、経営は立ちゆかない」と危惧し、「早くこれまで通りの日常に戻ってくれないと、店を閉めることになる」と頭を抱えた。