国の伝統的工芸品に指定された岐阜和傘=岐阜市湊町、和傘CASA
岐阜和傘を紹介する平野明宏さん(中央)ら=18日午前、名古屋市中区、中部経済産業局

 岐阜市などで製造されている「岐阜和傘」が18日、経済産業省の伝統的工芸品に指定された。本年度の指定は全国で岐阜和傘だけといい、今後、新商品開発などで国の補助金を活用できる。岐阜和傘の出荷額はここ数年横ばいだが、指定により知名度やブランド力が高まって販路拡大が期待でき、課題である後継者の育成にも追い風となりそうだ。指定は県内では6品目。

 指定は伝統的工芸品産業の振興を目的に行い、日用品、手工業的、100年以上続く技術・技法といった指定条件がある。

 岐阜和傘は江戸時代から製造されている工芸品で、技法は1639年に確立。日本舞踊や寺社の祭礼、伝統芸能に限らず、結婚式や七五三、日常生活でも需要があり、岐阜市を中心に産地がまとまっていることも指定の条件に合った。

 昨年11月時点で、10事業所・37人が岐阜和傘の製造に携わっているといい、今回の指定によって新商品開発や販路開拓などで国の補助金を活用できるほか、国の伝統的工芸品であることを証明する伝統マークを製品に貼り付けられる。

 18日は中部経済産業局で同局の彦坂謙二産業部長が岐阜和傘協会(岐阜市)の代表理事、平野明宏さん(74)らに通知書を手渡した。平野さんは「岐阜の和傘を全国に伝えたい。高級品もあるが、手頃な和傘を雨の日などの普段用に使ってもらいたい」と話した。

 岐阜地域は和傘の国内生産の6割以上を占める一大産地。協会は和傘職人の減少が課題となる中、クラウドファンディングで資金を募り、2年前から見習い職人を雇用して技術を教えている。岐阜市の柴橋正直市長は「岐阜和傘は地域の宝。手作りのぬくもりを感じる岐阜和傘ならではの魅力を伝え、伝統的な技術や技法が継承されるよう支援していく」とコメントした。

 岐阜県内では、これまでに飛騨春慶、一位一刀彫、美濃焼、美濃和紙、岐阜提灯が指定されている。