ロシアが実効支配する北方領土からウクライナに派遣されて戦死したロシア部隊の将兵が70人に上ることが7日、ロシア独立系メディア「メディアゾーナ」の集計で判明した。北方領土での戦死者調査は異例。現地駐留部隊の兵士や出身・在住者で、実際の死者数はさらに多いとみられる。ロシアでは地方出身者の戦死が相次ぎ、ウクライナから7千キロ以上離れた北方領土の部隊も戦力を消耗している実態が明らかになった。
メディアゾーナは2022年のウクライナ侵攻後、英BBC放送と共同でロシアの公式情報や報道、交流サイト(SNS)の書き込みなどを調べ、今年3月末時点で計10万1人の戦死者名を確認した。共同通信の照会に対し、北方領土に関係する戦死者数を回答した。
死者には北方領土の択捉、国後両島に駐留するロシア陸軍第18機関銃・砲兵師団(約3500人)の将兵が多く含まれていた。兵士から副大隊長の少佐までで、年齢は20〜40代と幅広かった。出身地は北方領土を事実上管轄するサハリン州のほかロシア各地に及んだ。(共同)