【ソウル共同】長崎市の端島(通称・軍艦島)などで構成する世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」を巡り、パリで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会は、負の歴史に関する日本の取り組みを委員会で改めて点検すべきだとする韓国側の訴えを退けた。韓国の聯合ニュースが7日、日本側の主張が支持されたと伝えた。
産業革命遺産は2015年に世界遺産に登録された。韓国は朝鮮半島出身者の強制労働があったと主張。聯合によると、歴史を説明するとした日本の履行状況の点検を求めた。日本は世界遺産委ではなく日韓で議論すべきだとの立場を示し、投票で日本側主張への支持が多数を占めたという。
韓国外務省当局者は「日本が約束を誠実に履行するよう要求していく」とした上で「相互信頼の下、未来志向的な協力を続ける」とも表明。聯合は、歴史問題と協力を切り分けて進めるとする李在明政権の外交政策を改めて示唆したと指摘した。
世界遺産登録に際し、日本は犠牲者を記憶にとどめる「適切な措置」を約束したが、韓国では日本の履行が不十分だとの見方が多い。