沖縄県の不発弾保管庫で6月、不発弾が破裂し、陸上自衛隊員4人が負傷した事故で、陸自は10日、弾に付着したさびなどを工具で除去していた際、信管に衝撃が伝わり、作動したことが原因とする調査結果を発表した。

 陸自によると、破裂したのは米国製の75ミリ対戦車りゅう弾で、劣化が激しく信管の有無が不明だった。そのため、処分業者に引き渡す前に安全性を確認する目的で、隊員が弾を作業台に載せ、ドライバーなどでさびや土を削っていたという。

 陸自は今後、信管の有無の判別が難しい場合は、リスクがある作業をせず、爆破処分に回す対応を取る。エックス線で弾の内部を確認できる装置の導入も進めるという。

 陸自トップの森下泰臣陸上幕僚長は10日の記者会見で「地域のみなさまに改めておわびする。再発防止策を徹底し、安全かつ確実に不発弾処理を実施していきたい」と述べた。

 事故は6月9日午前、米軍嘉手納弾薬庫地区にある沖縄県の保管庫で発生。現場にいた隊員4人が、やけどや擦り傷などを負った。