世界陸連が男性ホルモンのテストステロン値が高い女子選手の出場を制限していることについて、規定撤回を求めた女子800メートルで五輪2連覇したキャスター・セメンヤさん(南アフリカ)の訴えがスイスの裁判所かスポーツ仲裁裁判所(CAS)で再審理される可能性が10日、出てきた。

 セメンヤさんはCASとスイスの連邦最高裁で敗訴していたが、欧州人権裁判所が2023年に公正な聴取を受けていなかったと指摘。これに対するスイスの裁判所の異議申し立てを、欧州人権裁判所が10日に退けた。

 34歳のセメンヤさんは現在コーチで競技復帰を目指していないが、後進のために訴えを続ける意向。(ロイター=共同)