【ワシントン共同】2001年の米中枢同時テロの主犯格とされる国際テロ組織アルカイダ幹部ハリド・シェイク・モハメド被告ら3人について、ワシントンの連邦高裁は11日、罪を認める代わりに死刑を免除するとの司法取引を無効とした。司法取引を破棄するとした国防総省の判断の正当性を認めた。AP通信が報じた。
事件から20年以上を経ても拷問後の自白の証拠能力が争われる中、司法取引での決着が否定され、早期に判決が出る見通しは立たなくなった。
司法取引を巡っては、バイデン前政権下で国防総省の検察側の責任者が昨年7月に署名したが、オースティン国防長官(当時)は重要事件での「決定の責任は私が負う」として取引を破棄すると発表。キューバのグアンタナモ米海軍基地の特別軍事法廷は昨年11月、オースティン氏に権限はなく取引は有効と決定、司法省が無効だとして申し立てていた。
連邦高裁の決定は判事3人のうち2人が賛成。オースティン氏の判断について「権限の範囲内」との判断を示した。