ツバルの首都フナフティ=2024年12月(共同)

 【シドニー共同】地球温暖化による海面上昇で国土が将来水没する恐れが指摘される南太平洋のツバルで、オーストラリアへの特別移住ビザの抽選に応募した国民が人口の過半数の5千人以上になったことが15日分かった。関係者が共同通信に明らかにした。希望者は国外で職や子の教育機会を求める働き盛りの人が多い。生産人口の減少が続けば、国家存続を脅かす危機に陥る可能性がある。

 応募は18日に締め切られ、抽選で年間最大280人に永住ビザが発給される。このペースが続けば、単純計算で約35年後に住民がいなくなる。

 ツバルの2025年の国連推定人口は9400人。関係者によると、11日時点で1466世帯5157人が応募した。ニュージーランドなど国外に在住するツバル人も応募しているとみられる。

 今回の応募殺到はツバル政府の当初想定を上回ったもようだ。

 テオ首相は昨年12月の共同通信とのインタビューで「町の人の声を聞くと、ほとんどの人が『残りたい』と言っている。大量移住は起きないだろう」と予測していた。