~総務省および官民連携スタートアップ支援プログラムの支援のもと開発~

お寺の課題解決を支援することで地域社会の活性化を目指す株式会社TERA Tech Inc.(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:森 篤史、以降は当社)は、寺院が抱える煩雑な事務業務の解決に特化したSaaS型業務支援プロダクト「テラテク帳」に対する特許を2025年7月1日に取得しました(特許第7705103号)。

 

 

寺院にとって、法要などの故人を弔う儀式は中核的な収益源です。しかし、多くの寺院は故人やその家族の情報を紙台帳で管理しています。また寺院は家族経営が多く人手不足なうえ住職の高齢化や兼務も増える中、法要の案内は住職に重い負担を強いています。「テラテク帳」は30秒のWeb操作のみで施主に対する法要の案内を完結でき、住職の寺務負担を大幅に軽減できます。

 

「テラテク帳」は、総務省事業である令和6年度「スタートアップ創出型萌芽的研究開発支援事業」への採択及び官民連携の取組「ICTスタートアップリーグ」への参加をきっかけに、全国100寺院を超える現場の声を丁寧に拾い上げながら開発されました。今回、施主や関係者の情報を記録する機能や、施主が亡くなった際に次の施主を自動的に設定する機能などを実現するプログラムや情報処理システムに対して特許を取得しました。

 

当社は今後、総務省「スタートアップ創出型萌芽的研究開発支援事業」や「ICTスタートアップリーグ」の支援を引き続き受けつつ、より多くの寺院への導入を進めます。また、寺院が地域と交わる新たな接点づくりに向けた新機能拡張も進めます。これにより、「寺院」という文化的資源の持つ可能性を社会全体の価値創造に結びつけていきます。

 

■当社を支援くださる関係団体からのコメント

【総務省 国際戦略局 技術政策課長 松井氏】

総務省「スタートアップ創出型萌芽的研究開発支援事業」、そして「ICTスタートアップリーグ」での活動を通じて、株式会社TERA Tech Inc.が、その成果として特許を取得されたことを心より歓迎します。スタートアップならではの機動力と現場密着型のアプローチにより、地域社会における重要な役割を担っている寺院のDXを推進する具体的なソリューションを提案しており、スタートアップによる地域課題解決への貢献の具体例として意義深い成果です。

 

弁護士法人内田・鮫島法律事務所 丸山弁護士(知財・スタートアップ支援担当)】

寺院を対象とするITサービスの構築には、一般の業務支援とは異なる制度的・文化的制約を理解した上での設計が求められます。本件においては、既存の宗教法人制度や現場の運用実態を踏まえたプロダクト設計がなされており、特許の取得に至った点はその構造的な独自性を裏付けるものです。伝統文化領域におけるIT技術の社会実装は、当該領域の独自性を踏まえた慎重な対応が求められます。株式会社TERA Tech Inc.が取得した今回の特許は、業界に根差した綿密な設計と知財保護の両立を実現した点で、他のスタートアップにも示唆を与える事例といえるでしょう。

 

ICTスタートアップリーグ運営会合長 福田氏

ICTスタートアップリーグでは、社会課題の解決に向けた研究開発を支援しています。株式会社TERA Tech Inc. のプロジェクトは、お寺という日本独自の社会制度を見直す契機となるものであり、非常にユニークかつ意義深い内容でした。お寺では長らくデジタル化が進んでいない分野とされてきましたが、本プロダクトは現場のニーズを丁寧に拾い上げ、誰にとっても導入しやすいDXツールとして具現化した点を評価しています。今回の特許取得は、単なる技術成果ではなく、スタートアップによる行政連携や社会実装の好事例といえるでしょう。

 

■株式会社TERA Tech Inc. 代表取締役 森 篤史 コメント

寺院は、単なる宗教施設ではなく、地域社会のつながりを育む拠点であり、また災害時などの生活インフラとしても重要な存在です。しかし、そうした寺院の多くが、限られた人的リソースの中で煩雑な事務業務を抱えており、その負担は年々深刻化しています。今回の特許取得は、私たちが全国の寺院関係者の皆様と共に歩んできた結果であり、特許取得は決して技術的成果のみならず、現場に向き合う姿勢が評価されたものと受け止めています。

当社では今後も、過度なテクノロジー志向ではなく、現実の現場に寄り添った開発姿勢を大切にし、寺院の社会的機能を次世代へつなげる橋渡しを続けてまいります。

 

 

総務省「スタートアップ創出型萌芽的研究開発支援事業」について

総務省による「スタートアップ創出型萌芽的研究開発支援事業」は、芽出しの研究開発から事業化までの一気通貫での支援を実施すべく、起業や事業拡大を目指すスタートアップによるICT分野の研究開発費支援や官民一体の伴走支援を行う2023年度より開始した事業です。

 

ICTスタートアップリーグについて

「ICTスタートアップリーグ」は、総務省とスタートアップに知見のある有識者、企業、団体などの民間が一体となり、ICT分野におけるスタートアップの起業と成長に必要な「支援」と「競争の場」を提供するプログラムです。

研究開発費の支援やスタートアップの立ち上げや成長を促進するための伴走支援を受けることができます。また民間からは事業性の向上とビジネスのプロフェッショナルとしての意識向上を目的とした競争の場の提供や、メディアと連携し、本プログラムの取り組みを多くの人に伝え、参加したスタートアップの活躍を世の中に広める支援を受けることができます。

当社は2024年度、383件の応募の中から26 件の採択先の1社として選出されました。

 

テラテク帳 サービス概要について

テラテク帳は、寺務(お寺の業務)の支援に特化したSaaS(アプリケーションのインストールなしにインターネット経由でサービスを受けられるソフトウェア)です。簡単な操作で「年回忌お便り発送」を30秒でWeb完結できる機能や、檀家情報や過去帳(故人の戒名などを記載する帳面)、故人の家族情報を統合管理する機能を有しています。

これらの機能は全国100寺院を超える現場の声を踏まえて開発されており、一般的な業務支援ツールでは捉えきれない、寺院特有の宗教的背景や運営実態に即して設計されています。これにより、ITに詳しくない人の多い寺院関係者でも無理なく導入・運営できる仕組みを実現しており、寺務の負担を大きく軽減します。

 

 ◆正式名称   :テラテク帳

 ◆開発・運営  :株式会社TERA Tech Inc.

 ◆サービスサイト:https://crm.tt-inc.jp/

 

株式会社TERA Tech Inc.について

わが国の伝統的な宗教を支えてきたお寺は、葬儀の簡略化、お寺離れ、繋がりの希薄化などの様々な課題を抱え、兼務寺(住職が他寺院の住職を兼務している寺院)や廃寺が年々増加しています。私たちはお寺が抱える課題をIT技術でひとつひとつ解決し、お寺の持つ可能性を拡張していくことで、社会の「孤独・孤立」の解決にアプローチしていきます。

 

 ◆会社名:株式会社TERA Tech Inc.

 ◆所在地:東京都渋谷区神宮前5-53−67 コスモス青山サウス3階

 ◆代表者:代表取締役社長 森 篤史

 ◆設立日:2022年10月

 ◆事業内容:

  - 寺院向けクラウドサービス事業

  - 寺院付加価値コンテンツ創出事業

 ◆会社Webサイト:https://www.corp.tt-inc.jp/

 ◆お問い合わせ先 :contact@tt-inc.jp

TERA Tech Inc.