東北電力女川原発敷地内に「乾式貯蔵施設」を設置する計画について、宮城県庁で担当者(左)から回答書を受け取る東北電原子力本部の阿部正信原子力部長=29日午後

 東北電力女川原発(宮城県)の敷地内に、使用済み核燃料を空気で冷やしながら保管する「乾式貯蔵施設」を設置する計画について、県と立地自治体の女川町、石巻市は29日、安全協定に基づく事前協議の結果、設置を了解したと同社に回答した。原子力規制委員会が5月、施設の新設計画を許可していた。

 県庁を訪れた東北電原子力本部の阿部正信原子力部長に、県の担当者が「一時的に貯蔵するための施設であることを前提に了解する」とした回答書を手渡した。阿部氏は「原発敷地外への早期搬出に努める」と述べた。

 東北電の計画では、施設は鉄筋コンクリート造で、プールで冷やした燃料を金属製容器に入れて、空気の自然対流で冷やす。2棟を建設予定で、最大で計約1300体の燃料が入る。1棟目は来年5月に着工する。

 東北電によると、昨年10月に再稼働した2号機原子炉建屋内の使用済み燃料プールは、29日時点で貯蔵率が79%を超え、再稼働から4年程度で容量の上限に達する見通し。