東京地裁=東京・霞が関

 特殊詐欺に絡み、盗んだキャッシュカードで現金約72万円を不正に引き出したとして、窃盗罪に問われた小山智広被告(51)に東京地裁(福家康史裁判官)は29日、「金額は高額とは言えないが、刑事責任は重い」として、懲役3年6月(求刑懲役5年)の判決を言い渡した。警視庁によると、フィリピン拠点の暴力団系の詐欺・窃盗集団「JPドラゴン」の幹部。

 判決は、被告が、同国を拠点に「ルフィ」を名乗り広域強盗を指示したとされる特殊詐欺グループ幹部の渡辺優樹被告(41)の下で、「かけ子」を管理するリーダーとして重要な役割を果たしたと認定した。

 判決によると、渡辺被告らと共謀し、2019年4月に警察職員に成り済まし、東京都の50代女性からキャッシュカード8枚を受け取り、現金を引き出した。

 公判で検察側から、渡辺被告のグループを離れた後、JPドラゴンに関わるようになったと指摘され、小山被告は「関わっていない。検察の質問には答えたくない」と否定していた。