ティフェヌ・ベロンさん(栃木県警提供)

 【ジュネーブ共同】栃木県日光市で2018年に行方不明となったフランス人女性ティフェヌ・ベロンさん(43)について、フランス紙リベラシオンは7月31日、外出して行方が分からなくなったとされる時間帯に宿泊先でベロンさんのスマートフォンが使用されていたと報じた。ベロンさん発見に向け、新たな糸口につながる可能性がある。

 栃木県警によると、ベロンさんは18年7月28日に1人で宿泊。29日午前10時ごろ、部屋に荷物を残したまま軽装で歩いて外出したとされる。県警は事件と事故の両面で捜査している。

 スイスのデジタルフォレンジック(電子鑑識)専門会社は、スマホと米グーグルの地図サービス「グーグルマップ」などの通信状況を解析。その結果、29日午前10時半〜同11時34分ごろ、外国で銀行のカードが使えなくなったときの対処方法やフランスの銀行のウェブサイト、岩手県のホテルの情報などが検索されていた。位置情報から、スマホは宿泊先かその近くにあった。

 最後の通信は同11時40分ごろだったが、位置情報を示していなかった。リベラシオンは、通常の電源の切り方による通信の途絶え方ではなく、スマホが破壊されたり水没したりした可能性もあると指摘した。

 ベロンさんの家族は日光市でチラシを配るなどして情報収集を続け、フランス当局も捜査情報を共有するよう日本に繰り返し求めている。