「瀬戸内国際芸術祭2025」で展示されている、レオニート・チシコフさんの作品「みんなの手 月まで届く手袋を編もう!」=香川県東かがわ市

 瀬戸内海の島々や港町を巡り、現代アートを楽しめる「瀬戸内国際芸術祭2025」の夏会期が1日、開幕した。3年に1回開催され今年で6回目。夏会期は8月31日までで、沿岸部の香川県さぬき市の志度・津田エリアと東かがわ市の引田エリアに初めて展開。このエリアでは午後9時まで鑑賞できる。

 志度・津田エリアではカナダを拠点とするアーティストユニット「ケイトリン・RC・ブラウン&ウェイン・ギャレット」の「時間との対話」が存在感を放つ。木々に約1万3千枚のメガネレンズをつるし、木の魂を表す。

 手袋産業が盛んな引田エリアでは、ロシアのレオニート・チシコフさんの「みんなの手 月まで届く手袋を編もう!」が見られる。建物に入ると、古着の布地で編んだ約3メートルの手袋が出迎える。

 芸術祭は「海の復権」をテーマに2010年から開催。今回は春と秋も含めた三つの会期で、37の国と地域から222組のアーティストが参加し、過去最多の255作品を展示する。春会期には約32万人が来場した。