能登半島地震で避難所となった、石川県珠洲市の中学校の体育館=2024年1月

 昨年の能登半島地震の初動対応を検証する石川県設置の第三者委員会が1日、報告書を公表した。避難所の生活環境整備や物資供給に不備があったとし、長期間のライフライン途絶に関する想定不足も指摘。全庁的な対応ができず、人命救助や生活支援などの手順を定めた災害時の基本となる地域防災計画の指針は十分に機能しなかったと批判した。支援団体との連携や、警察や消防との調整にも課題があり、大規模災害への備えが不十分だったとの認識を示した。

 第三者委は支援マニュアルの整備や避難所運営の訓練を提言。県は近く臨時会議を開き、報告書にある改善案を地域防災計画に反映させる方針だ。能登地震は1日で発生から1年7カ月。県は、報告書が広く共有され、全国レベルで災害対策の向上につながってほしいとしている。

 県は昨年6〜12月、職員と102の支援団体を対象に、発生後約3カ月間の県の対応に関しアンケートや聞き取りを実施。職員3千人以上から回答があった。外部識者による第三者委がこれらを踏まえ報告書をまとめた。