ISSでの性能試験用に開発されたCO2除去装置=2023年7月、茨城県つくば市(JAXA提供)

 【ケープカナベラル共同】油井亀美也飛行士は国際宇宙ステーション(ISS)滞在中、居住空間にたまる二酸化炭素(CO2)を除去する装置の技術実証や藻類の培養など、宇宙進出の時代を見据えたさまざまな実験をこなす。ISS内のロボットを制御する学生向けプログラミング競技会も予定され、大忙しの半年になりそうだ。

 CO2除去装置の試験は日本の実験棟「きぼう」で実施する。ISS内の空気を取り込み、CO2を取り除いて戻す。CO2は宇宙空間に捨てる。風量や温度などの条件を変化させながら性能データを取得し、今後の地上での開発に生かす。

 宇宙で効率的に作物を生産できる手法の開発に向け、重力が極めて小さい環境が植物の細胞分裂に与える影響を調べる実験も予定する。観察しやすい藻類とタバコの細胞を培養し撮影。地上に画像を送って解析する。

 宇宙での火災対策のため、機材や飛行士の装備に使う素材の燃えにくさを評価する方法も開発する。宇宙で素材を燃やし、地上と燃え方がどう違うかを調べる。