作業員がマンホールの中に転落した現場で救助活動に当たる消防隊員ら=2日午後3時52分、埼玉県行田市

 下水作業の現場では、作業員が転落して死亡するなどの事故が各地で絶えない。硫化水素などの充満や雨水の流入の可能性が指摘されるケースや、酸素欠乏による窒息死もあった。

 茨城県土浦市では2020年10月、下水道の汚泥を取り除く作業中に男性がマンホールに転落。県警や消防によると、助けに向かった男性も落下し、2人とも酸素欠乏で窒息死した。マンホール内から硫化水素と一酸化炭素(CO)も検出された。

 23年11月には静岡県伊東市で、マンホール内の改修工事をしていた男性が亡くなった。気分が悪くなり地上に戻ろうとした際に転落したという。市によると、硫化水素が充満していた可能性がある。

 相模原市では24年9月、下水道工事中の男性作業員2人が流される事故が発生。大量の雨水が流れ込んで逃げ遅れたとみられ、3日後に約6キロ離れた川で見つかり、死亡が確認された。

 今年3月に秋田県男鹿市で作業員3人が倒れ、死亡した事故の現場もマンホール内だった。