一般公開された被爆遺構「三菱造船船型試験場」で担当者から説明を受ける見学者=2日午後、長崎市

 三菱重工業は2日、長崎に投下された原爆の爆風で建物の壁が傾いた造船研究施設「三菱造船船型試験場」を一般公開した。今も現役で稼働しており、長崎市にある被爆遺構で最大規模という。同社が戦後80年の節目に、原爆の破壊力を広く伝えようと1日限定で公開した。

 試験場は1943年に完成。全長303メートル、幅16・5メートルの細長い建物内に、研究用の大きな水槽などがある。爆心地から約1・7キロで、当時は従業員1人が死亡した。爆風で壁が最大15度傾き、補修後も約3度の傾きが残る。

 見学した長崎市の会社員戸谷剛さん(40)は「実物を見ることで(被爆)当時の姿をはっきりとイメージできた」と話した。