少子化や大学入試改革で今、高校を取り巻く環境は大きく変化しています。岐阜県内の高校はどう対応していこうとしているのでしょうか。岐阜新聞デジタルは各校の校長らトップにインタビュー。今回は岐山高校(岐阜市)の増田泰志校長(59)に取材しました。岐阜5校の1校としても知られる進学校で、理数教育に力を入れています。この夏には新校舎が完成し、最新の理科実験室などを備えた環境で新たなスタートを切りました。増田校長は「これを機に本校の魅力、楽しさをもっともっと発信したい」と話します。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

―岐山高校の特徴は。
本校は創立67年目を迎える、地域に根差した歴史と伝統のある進学校だ。普通科と理数科を設置しており、特に理数科は県内で最初に設置された(1969年)。これまで岐阜県の理数教育をリードしてきた自負がある。以前は文部科学省の「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」に指定されていた。
特徴の一つが探究活動だ。探究活動にこだわって長年にわたり、県内でも先駆的な取り組みを続けてきた。授業は当然ながら部活動、学校行事などさまざまな活動を通して物事を探究する姿勢を大事にしてきた。生徒たちが常に自分で考え、判断し、行動できる力を身に付けられるよう取り組んできた。
―校則や制服の見直しも進んでいる。
校則の見直しなどについて生徒と話し合う場をつくり、制服の選択制を昨年度から導入した。
制服については「フォーマルウエアデー」という日を設け、終業式や始業式などは制服を着るようにしている。それ以外の日は自由。一方、生徒からの希望を受け、本年度から選択肢として制服のリボンやネクタイを導入した。
―そうした見直しの意義や生徒に期待することはなにか。
自主性、主体性は本校が大切にしたいこと。自分で考えて行動できるということの一つの表れだと思う。制服は選択制だが、岐山高校の生徒であるというプライドは常に持っていてほしい。
―普通科は近年、最終倍率が1.2倍を超える人気学科。一方、理数科は定員割れが続いている。
本校は理数教育が特徴だ。科学的な見方をし、論理的に考えることを大切にしているが、中学生や保護者にその魅力があまり伝わっていなかったかもしれない。全国的に理数離れが言われているが、新校舎完成に合わせ、理数教育はおもしろいことをアピール...