参院選期間中、マスメディアが偽・誤情報を検証するファクトチェックに力を入れたことがかえって偽情報の拡散を促した可能性があるとする調査結果を、東洋大の小笠原盛浩教授(社会情報学)がまとめた。偽情報に最初に接触した媒体はテレビが最多で、番組中にデマだと強調しても、そうした情報を取り上げること自体が誤った認識を招くケースが多いことが分かった。
7月20〜23日「外国人が生活保護の受給で優遇されている」「石破茂首相が党首討論中にアナウンサーをどう喝した」など五つの偽情報に18〜79歳の男女1500人が、どう接触したかを調査した。その結果、回答者の57・8%が1件以上の偽情報を見聞きし、35・1%が、それらを事実と認識していた。10・8%は会話や交流サイト(SNS)を通じて偽情報を拡散していた。
回答者が見聞きした偽情報は延べ1700件で、最初に見た情報源を尋ねたところ、テレビが最多の39・8%だった。テレビ各局がSNSの偽情報を検証するファクトチェックに力を入れたためとみられる。