
岐阜県と長野県にまたがる御嶽山(3067メートル)の国定公園指定を求める申出書が今年3月、環境相に提出された。両県が作成した公園計画では、山麓の指定エリア内にあり2018年から休業している高山市高根町日和田のスキー場「チャオ御岳マウントリゾート」が今後の活用が不明瞭として公園事業に含まれていない。再開の見通しが立たないまま放置状態が続くスキー場に、地域住民からは「御嶽山は高根のシンボル。とにかく早く(施設を撤去し)元の自然の状態に戻してほしい」との声が上がる。
放置されたリフト、建物の割れた窓ガラス、剝がれた壁-。かつて多くのスキー客でにぎわった真っ白なゲレンデの面影はない。「もはや地元住民はチャオが再興するなんて思っていないが、廃虚になった施設を見るのはつらいものがある」。地元の飛騨高根観光協会の小坂守会長(69)は胸の内を語る。
四半世紀ほど前に...