少子化や大学入試改革で今、高校を取り巻く環境は大きく変化しています。岐阜県内の高校はどう対応していこうとしているのでしょうか。岐阜新聞デジタルは各校の校長らトップにインタビュー。今回は関有知高校の廣江修校長(59)に聞きました。普通科と生活デザイン科のある県立高ですが、関市など地元企業へ毎年数十人就職します。そんな地域密着の高校では「学び直し」を大事にしています。中学でつまずいても「やり直し」を可能にする学びとは。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

―関有知高校の特徴は。
関市と美濃市の間にあり、生徒の8割が両市から通っている。生徒一人一人の生きる力を育むため、個々の能力や長所を伸ばし、優れた創造性と豊かな社会性を持った、たくましく実践力のある心温かな人間、よき地域社会人の育成に努めている。
―よき地域社会人育成のための取り組みは。
1年生の後半から2年生の前半にかけ、総合的な探究の時間で「関有知ジモト大学」と銘打って、地域で活躍する大人から仕事観や生き方などを学ぶ取り組みを実施。毎年9月には市内で「関有知マルシェ」というイベントを行う。生徒たちは地元企業や食堂と連携して食やグッズを販売する。このイベントを通して、地元の良さ、地域の企業に目を向けるようになる。また、話し合って課題解決する力が就職や進学に生きてくる。よき地域社会人の育成につながっている。
―生徒たちの進路は。
就職と進学が約50%ずつだ。
就職では地元の製造業への就職が多い。地域別で見ると、昨年度の卒業生116人のうち、半数の63人が就職した。うち県外は3人。県内企業に就職した60人のうち、関市は31人、美濃市は9人だった。大半が地元企業への就職だった。業種では製造業が一番多い。
関市は工場が多く、生徒たちは製造業に自然な思いを持っている。求人も多く、7月の上旬だけで700件以上寄せられた。毎年、関市の企業に何十人も本校から進む。本校は関市の製造業を支えている担い手だと自負している。
―進学は。
四大・短大が全体の約25%、専門学校も約25%程度だ。進学先も地元の大学、短大が多い。本校の生徒は地元志向が強い。...