甲子園経験豊富な相手左腕エースを攻略し、ベスト8だ―。第107回全国高校野球選手権第12日は17日、甲子園で3回戦4試合を行い、8強が出そろう。県岐阜商は第4試合で明豊(大分)と対戦する。勝てば、春夏通算90勝目で、夏は大阪桐蔭と並ぶ歴代10位の42勝目となる。同校のベスト8は4強の2009年以来16年ぶり。勢いに乗る県岐阜商ナインは、16日の兵庫県西宮市の鳴尾浜臨海野球場での2時間の練習でしっかりと調整した。2年生エース柴田蒼亮が中一日での連投となり、藤井潤作監督も「この先、勝つために、順番は決めていないが、継投でいく」と明言しているだけに打線の援護が大きく勝利への鍵を握る。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

17日の明豊戦に向けて藤井潤作監督の話を聞く県岐阜商ナイン=鳴尾浜臨海公園

◆低めの変化球の見極めが鍵 明豊の好左腕・寺本を一気に攻略したい

 打線爆発が期待される県岐阜商打線。中でも明豊投手陣の、川崎絢平監督が「困ったら寺本」と語るエースの左腕・寺本悠真をいかに攻略するかがポイントとなる。

 寺本は2年の春、夏、今大会と3大会4試合19回を投げ、失点、自責点わずかに1。2年の選抜では1―0で勝った1回戦の敦賀気比(福井)戦で先発し、6回2/3無失点。自身も今まで最も印象に残った出来事として「昨年の選抜で無失点に抑えられたこと」を挙げる。

 昨夏は敗れた小松大谷戦で打者3人だけだったが無失点。エースナンバーを背負った今年は、大分大会で2回戦以外先発をほかの投手に譲り、投球回数は12回と多くはないものの、決勝の大分舞鶴戦で0―1の6回からマウンドに立ち、無失点で、2―1の逆転優勝をもたらした。

 甲子園では初戦の市船橋(千葉)戦で先発。一度マウンドを降りたが、再登板して8回1失点。2回戦の佐賀北戦は六回途中から登板し、無失点で佐賀北の反撃をかわし、勝利をもたらした。

 大舞台での経験豊富なピンチでの強さを支える生命線は制球力。最速は137キロで、甲子園では130キロ前半と速くはないが、内外角コースいっぱいに投げ込み、スライダー、さらに緩急2種類のカーブ、チェンジアップで要所を締める。

選手たちに笑顔でアドバイスをする県岐阜商の藤井潤作監督(左)=鳴尾浜臨海公園(撮影・坂井萌香)

 県岐阜商打線は今大会で各打者が徹底できている球の見極めが重要。特に左打者が多いだけに逃げていく低めのスライダー、さらにチェンジアップをしっかり見極めたい。

 16日の練習でも...