69年ぶりの決勝進出こそ逃したが、“夏の甲子園で4勝”という県岐阜商ナインが見せた快進撃は、多くの県民と全国の高校野球ファンを熱くさせた。兵庫県西宮市の甲子園球場で21日に行われた全国高校野球選手権大会の準決勝で、公立校として唯一、4強に駒を進め、延長十回タイブレークにまでもつれ込む大接戦の末に2-4で涙をのんだ県岐阜商。満員のアルプス席からは強豪相手にも一切臆せず戦ったナインをねぎらう温かな拍手が起こった。「選手たちのおかげで連れてきてもらえた。本当に甲子園は素晴らしいところですね」。藤井潤作監督は最後まで笑顔を絶やさずプレーしたナインに目を細めながら、さらに強い「県岐商」となって戻って来ることを誓った。

 マウンドから本塁までの距離は18・44メートル。16年ぶりに準決勝に進んだ県岐阜商のエース柴田蒼亮(そうすけ)投手(2年生)と小鎗稜也(こやりりょうや)捕手(3年生)のバッテリーは、...