自らの学歴を巡る問題で静岡県伊東市の田久保真紀市長が1日、議会から不信任を突き付けられた。市政停滞に不満を募らせる住民や地元経済団体は田久保氏に面会し、辞職を要求。部下である市の部長全員からも出直し選実施を求められ、四面楚歌に陥っていた。
1日午前、黒のスーツで本会議に臨んだ田久保氏は落ち着かない様子だった。顔を上げずにメモを取る姿が目立ち、市議から「人の話を聞く姿勢ではない」と注意される場面も。終了後、記者団の質問に「コメントできない」と繰り返し、数分で取材を切り上げた。
田久保氏は5月29日に就任したが、間もなくして学歴問題が発覚。説明などに追われ、副市長や教育長を選任できていない。ごみ焼却炉の補修費や住宅リフォーム補助金を盛り込んだ補正予算案の9月定例会冒頭での提出が見送られるなど、住民生活へのしわ寄せも。
伊東市選挙管理委員会によると、23年の市議選では約4500万円の費用を要したといい、今回解散し、市議選が行われる場合も同程度の費用が見込まれるという。