新浪剛史会長の辞任について、記者会見で頭を下げるサントリーHDの鳥井信宏社長(左)と山田賢治副社長=2日午後、東京都港区
 サントリーホールディングスの新浪剛史会長

 サントリーホールディングス(HD)は2日、新浪剛史会長(66)が1日付で辞任したと発表した。新浪氏が購入したサプリメントが違法の疑いがあるとして福岡県警の捜査対象となったため、取締役や監査役の全員が一致して辞任を求める方針を確認。新浪氏から「一身上の理由」とする辞任届を1日に受理した。同社は「捜査の結果を待つまでもなく、会長の要職に堪えないと判断した」と説明した。

 サントリーHDの鳥井信宏社長は東京都内で記者会見し「みなさまにご心配、ご迷惑をおかけし、心よりおわびする」と謝罪した。「消費者からいろいろ指摘を受け、業績にも影響が出る可能性がある。信頼回復に努める」と述べた。

 山田賢治副社長は会見で「会長の仕事を続けられなくて残念に思っている」とする新浪氏のコメントを代読した。山田氏は新浪氏の辞任に関し「サプリメントを扱う会社の責任者、トップとしての資質を鑑みての判断だ」と語った。

 新浪氏は2023年4月から経済同友会代表幹事。政府の経済財政諮問会議の民間議員を長く務める。