愛知県豊橋市の市立本郷中で今年、男子生徒が部活動中に意識を失い心肺停止になった。教員が素早く自動体外式除細動器(AED)を使用して措置を講じたことで回復し、一命を取り留めた。同校ではAEDの使い方を確認する講習を毎年実施しており、平野光也校長は「成果が出て、滞りなく対応できた」と振り返った。
生徒は2月26日夕、軽いランニングをした直後、校舎3階の廊下で突然倒れた。近くにいた教員が駆けつけ、直ちに養護教諭や他の教員へ連絡。手分けをして消防への通報やAEDの用意などに当たった。生徒はAEDの電気ショックで意識が回復し、救急隊によって病院に搬送された。
豊橋市消防本部は的確な応急手当てで生徒の命を救ったとして感謝状を贈呈。本橋由行消防長は「いざという時の対応方法が頭になかったら動けない。迅速だった」とたたえた。
同校での救命講習は5年ほど前から年1回、養護教諭が中心となって全教職員を対象に実施している。今年4月の講習では、今回のケースを踏まえ、より実践的な内容にした。