少子化や大学入試改革で今、高校を取り巻く環境は大きく変化しています。岐阜県内の高校はどう対応していこうとしているのでしょうか。岐阜新聞デジタルは各校の校長らトップにインタビュー。今回は東濃実業高校(可児郡御嵩町)の中澤正仁校長(57)です。進学率が75%を超える一方、求人倍率は38倍。可茂地区唯一の商業科があり、生活デザイン科もユニークな学びをしている同校は地域との連携を深めています。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

―東濃実業高校商業科の特徴は。
商業科と生活産業科を有する、この地区唯一の高校だ。
商業科はビジネス科、ビジネス情報科の2学科あり、さらに2年生からビジネス科は「商品開発コース」と「事務会計コース」の2コース。ビジネス情報科は「プログラミングコース」と「マルチメディアコース」の2コースがあり、学びと選択の幅が広い。選択科目も多く充実している。
日本商工会議所主催や全国商業高等学校協会主催の資格取得できるカリキュラム構成となっている。事務会計コースは公認会計士を目指す基礎となる日商簿記1、2級の取得を目指す。将来のスペシャリストを育成するための土台をつくる。
一番の特徴は地域に愛され、地域に育てていただいている学校だ。地域の行事にお誘いいただき、参加することでいろいろな学びをさせていただいている。
そのような活動を通して「協働」の大切さや「主体性」を持って行動ができる姿勢を学ばせていただいている。
―生活産業科の特徴は。
生活産業科には生活デザイン科がある。3年間を通して食物と被服を学び、基本的な知識と技術を身に付けることができる。特に食物(フードデザイン)では、包丁の扱い方からスタートし、3年生までに栄養計算や献立作成をはじめ、日常食やお弁当、供応食まで一人でマスターできるよう指導している。
被服(ファッション造形基礎)では、手縫いやミシン縫いを丁寧に指導し、3年間で洋服や浴衣まで製作している。専門的な科目も幅広く開講しており、地域密着型の授業展開をしている。
―地域との連携で取り組んでいることは。
商業科では、県教育委員会高校教育課の施策で「地域課題探究型学習推進事業(地域産業担い手型)」(5年間の取り組みで、本年度2年目)があり、地域との連携は積極的に取り組んでいる。祭礼のボランティア活動や地元企業との共同の商品開発などに取り組んでいる。...