プロ注目、中京のエース鈴木悠悟が別次元の快投―。秋季東海地区高校野球岐阜県大会2次トーナメント準々決勝は23日、ぎふしん長良川球場などで行われ、中京、大垣日大、岐阜城北、関商工の各地区1位校がベスト4に駒を進めた。V候補中京は鈴木が、今夏甲子園ベスト4の県岐阜商を撃破した岐阜総合を寄せ付けず、8―0の七回コールドで圧倒。同じくV候補の大垣日大も大垣西を8―0で圧勝し、地区大会初戦からの無失点イニングを47に伸ばした。岐阜城北は2―1で中津商との接戦を制し、関商工は帝京大可児に7―1で快勝した。秋県4強を4地区で分け合うのは1955年以来70年ぶり。(岐阜新聞デジタル独自記事です)
◆中京・鈴木が秋県初登板のマウンドで着実な進化を見せつける

甲子園は未経験ながら、ポテンシャルの高さで全国の注目を集める中京・鈴木。大会前最終の練習試合となった9月6日の報徳学園(兵庫)戦では延長十回ながら、自身最多の15奪三振の快投を見せ、異次元の領域に踏み込みつつあることを証明してみせた。今大会初マウンドの相手は、初戦で選手権4強の県岐阜商を撃破した岐阜総合だった。
岐阜総合は振りが鋭く、ストレートに強いという事前の情報分析に基づき、鈴木が選択したのが「あえてストレートで押す配球」。球速こそ130キロ後半から140キロだったが、切れのいいストレートでコーナーを突き、1巡目は二塁打と失策の出塁を許したものの岐阜総合打線を寄せ付けなかった。鈴木自身も「格の違いを見せつけることができた」と振り返る納得のマウンド。
2巡目からは、ストレート狙いを見て取ると、今度は報徳学園打線から三振の山を築いた切れ味鋭いスライダーを決め球に三振を奪う。130キロ台の高速スライダーもさえ、95キロのカーブを投じた直後に球速差45キロの140キロを投げ込むなど投球の幅広さも見せつける。
6回で継投の西岡海心にマウンドを譲り、三振は8、散発3安打だったが、被安打直後はギアを上げ、「スコアリングポジションに行かせても、まったく動じることはなかった」と鈴木。本塁を踏ませる気配は皆無だった。
鈴木の夏以降の成長ポイントは二つある。一つは...