親子鷹の帝京大可児に爆誕した救世主右腕が岐阜2位の岐阜工を完封―。秋季東海高校野球岐阜県大会2次トーナメント2回戦は15日、大垣北公園で順延となっていた2試合を行い、ベスト16が出そろった。田口聖記監督の長男優太が二塁手と抑え投手を務める今夏岐阜大会準優勝校の帝京大可児は、新チームから投手の1年生所龍平が抜群の制球力で岐阜工打線を翻弄(ほんろう)し、3―0で16強進出。大垣商は可児工を7―0の七回コールドで圧倒した。

内角攻め、外スラで岐阜地区2位の岐阜工を完封した帝京大可児の救世主所龍平=大垣北公園

◆県ナンバーワン右腕が抜けた帝京大可児に新星あらわる

 岐阜県ナンバーワン、東海でも屈指の右腕富田櫂成を擁した今夏の帝京大可児。岐阜大会で大垣日大、岐阜第一、中京とV候補をすべて撃破しながら決勝で県岐阜商に屈し、準優勝。3年ぶりの決勝で悲願の甲子園にあと一歩届かなかった。

 前チームは、富田という大エースに加え、川上憲伸さんのおい洸晶もおり、2年生投手陣がなかなか育たず、新チームは柱となる投手がいなかった。田口優太も「なかなか最初は勝てなかった」と振り返る。8月13日に行われた中濃・飛騨地区大会でも益田清風に3―4で初戦敗退を喫した。

 田口監督は「140キロ後半を投げる富田のような投手がいなくても、遅い球でも制球力のよさで今春の選抜をつかんだ愛知の至学館のような方式で挑む」と決意。中学までは投手だったが、高校入学後はサードやショートだった所の制球力に着目し、練習試合で投げさせると、見る見るうちに成長していった。9月6日の県大会初戦の1次トーナメント2回戦・加茂戦でも...