2024年4月、家族と写真に納まる坂口志文大阪大特任教授(左から4人目)=滋賀県長浜市(兄の偉作さん提供)
 ノーベル生理学・医学賞の受賞が決まり、記者会見で笑顔を見せる大阪大の坂口志文特任教授=6日午後8時27分、大阪府吹田市

 大阪大特任教授坂口志文さん(74)の元教え子で、京大医生物学研究所教授の伊藤能永さん(47)は、坂口さんが妻教子さん(71)と二人三脚で研究を進めていたと振り返り、ノーベル賞授与決定をたたえた。

 京大再生医科学研究所で坂口さんに師事した伊藤さんによれば、教子さんは当時研究室で助教を務め、実験のマネジメントや補助に当たっていた。取材に「物静かな坂口さんと、社交的な教子さんがお互いに補い合いながら切り盛りしていた」と懐かしんだ。

 「制御性T細胞の発見は免疫学の歴史に残る結果。非常にすごいことで世界の評価がついてきてうれしい」

 不遇を乗り越え、一貫して同じテーマに打ち込んできた坂口さんは「問題意識の継続」を強調していた。「私たち弟子に持続的な興味を持って取り組む姿勢を教えていただいた。大変尊敬できる先生」と評した。

 「いつかは取ると思っていたがぞわぞわっとした」。坂口さんの京大在籍時から25年以上の親交がある京大教授河本宏さん(64)は「わが事のようにうれしい。免疫学者の中の免疫学者だ」と喜んだ。